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2018.01.24

 杉山勝己と聖書(237)明治学院的禁欲主義は、どのようにして形成され、解消されて行ったのであるか

 などと書くのは、西部邁さんの自殺による。

 歳の近い、社会で認められた本物の論客の死は、サラリーマンをしながら、

 思想や絵画に関わって生き抜いた私の、脳天を打った。打たれて、明治学院高校時代の思想を思い出した。この歳で、トマスアクィナスのような、中世ヨーロッパ思想の形成者(神学)を、読んでいると。膨大な書籍のなかに散りばめられている、設問の高さにほとほと感心する。

 西洋の高さとは、その技術ではなく、哲学にあった、ということを今更ながら知る。明治学院の文学部に行き、哲学と神学の違い、哲学史なども読んではいたが、神学史なども絡み。挙げ句の果てに、思想史などという、恐ろしいものも読む。から(かじるから)、若者の頭はますますこじれて、同時進行で教会にも行ってもいたから。フェイリス女学院の、院長でもある牧師である山永武雄さんの説教を毎週、長年聞いてもいた。

 それは、スッキリしながらも深くなるが、益々混迷も深くなる。

 その上、実務社会に出て、金の問題にもぶつかり、当然の恋愛問題も生じるお年頃。何やらけたたましい人生になってみると、ますます明治学院教育の効果が現れると、奇妙な青年になって絵画学校(夜学)にも行く。さらに、中国語研究部にいたから、毛沢東、果てはレーニンまで、読むことになると、という年代の。戦後の凄まじい、思想的混乱の闇を。それが、自殺した西部邁さんにも重なる。

 だが、ここまでいろいろやることが、教養主義なのであり(代表が東大教養学部)。とうてい、学校の点数(成績で)で表すことのできない、非実務教育の教育効果。なのであると、腹をくくって書いている。ところで、明治学院的禁欲主義などという、ことを言ったところで、わかる人もいないだろうが。要は、スイスの宗教改革者カルヴァンなのである。

 「キリスト教綱要」という、面倒なものをかじり読み、する高校生である。から、キリスト教世界の禁欲主義が近代社会に与えた影響は、少しは知っている、つもりだ。そのカルヴァンを奨励したのが、神学校として創建された明治時代の明治学院で。創業者のヘボンは、そのカルヴァン思想の流れを汲む人。だから、今でも明治学院には、その血脈が細々と流れている。牧師の山永氏は、カルヴァンの研究者でもあった人で。

 実はその教会に、明治の末年に起こる大逆事件の関係者が絡む。から、その何者なるか、を探しているうちに、人生は暮れた。大逆事件とは、当時のアナーキスト等が、天皇を暗殺し無政府状態を作って、などと一網打尽にあった事件であるが。日本の深い、近代の闇でもある。

 

 

 

 

 

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