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2018.03.25

杉山勝己と聖書(329)このような、アジアの、インドネシア現代史。強いて言えば世界人類の戦後悲劇(300万虐殺事件)を書く時、「オランダ史」に、至らざるを得ない。とは、

 

 第二次世界大戦に至る日本の、アジアにおける悲劇、も何であるか。など。

 要するに、西洋列強の植民地の。強圧と普通解される西洋の、技術的に高く思想的に複雑な侵略は。同時に、感情的に罪的な、あまりに人間的な、ミスの積み重ねの。後進アジアと判断された、植民されるアジアであるインドネシアの。オランダの植民地は、どのように形成されていったのか。を、調べると。

 「オランダ史」(白水社/文庫ク・セ・ジュ/モーリスプロール著/2006年5刷)を読む。オランダの歴史が全体的に見れば、ほとんどキリスト教宗教ヨーロッパ史に過ぎないと理解できる。その中で、第10章は1840年から1914年までの項で。オランダ植民地の、インドネシアが描かれる。画家ゴッホなどの記述も見えるから、ときど頭休め、になる。

 その上、136ページでは、1941年12月7日と日付がされる、日本の真珠湾攻撃(太平洋戦争日米戦の開始、日本時間12月8日)も、その関係で書かれている。一種の新鮮さがあるのは、日本やアメリカの記述しか、今まで読んでいないからである。

 で、デヴィ夫人の悲劇的な経験は、ここから始まるといっても良い。彼女が生まれたのは昭和15年、1940年。攻撃の一年前、西麻布226事件の発祥部隊、麻布連隊に近接していた。インドネシア事件も所詮、クーデタ。なぜか二つの大事件に因縁がある人で、その理由はかわからない。が、夫人の運命であろう。

 インドネシアでのオランダの関わりは、18世紀後半であるようだ。それまで、島々(1万もある島々)の周囲でしかなかった侵略が、かなり内部まで浸透していく。この状況はオランダ本国でも問題になり、5000万もの人々(当時)を、たかが数千人のオランダ人で支配していいのか、といった世論が、プロテスタント国のオランダに生じたようだ。19世紀初期の、キルケゴール的で実存的な、新教の、キリスト教徒らしい反応の先行的実例である。

 では、オランダの支配の後、それを追い出した日本は、どうだったのか。は、「冒険ダン吉」の漫画によく現れている。ので、ウィキペディアから編集して貼り付けておこう。

 1933年(昭和8年)より大日本雄弁会講談社(現/講談社)の雑誌「少年倶楽部」で連載が始まった。ひょんなことから、南の島の王となった少年・ダン吉が、様々な敵に打ち勝っていく。何もない未開の島(と解釈された)で、自然素材を使い、文明社会を打ち立てていく、という物語。で、大東亜共栄圏思想そのもの、の漫画であった。すでに、人気を博していた田河水泡の「のらくろ」と、人気を二分。連載は、1939年(昭和14年)に最終回。この漫画は、私も子供の頃見た覚えがあり、戦後、日本の侵略を美化したということで、批判されたようだ。

 で、日本支配以前に話を戻すと。

 オランダでは、インドネシアにおける自国の植民地統治の過酷を批判し。愛の宗教国家らしく人道的諸制度をますべし、との意見が出る。ただ一方、教育が行き渡り始めたインドネシア原住民の間でも、自由への希求が芽生え。そこで、原住民のエリートの中に反抗目的の結社、が生まれる。そいった中のイスラム教結社では、オランダの極左組織と関係を持ったものさえいた、という。この辺りの宗教史は、特別に興味があるが、今資料がない。

 と、なっているヨーロッパの事情は。すでに共産主義に対する、明確な支持政党なども出現している時期。でもあり、そういった政党がヨーロッパで政治情勢を揺るがすことになる、は有名な話である。がすでに、インドネシア現地人の思想に影響する、と言うことはまさに注目に値する。その時、大日本帝国は。国内で無政府主義者(アナーキスト)の徹底的弾圧(大逆事件、甘粕事件など)と、共産主義者などを非合法化しながら、満州や東アジアなどに進出していく。明治維新以来の、大日本帝国の目覚めた対西洋主義であるアジア主義は、徹底的反撃に出る、わけだ。

 で、デヴィ夫人の遭遇した悲劇の「実体」も、実は赤狩りであった、ということが書かれている。このようなオランダ支配の下地に、反共では筋金入りの大日本帝国、の侵略が行われたのであろう。が、それは「オランダ史」の、136ページにあり。その記述には、日本支配が終わった後の事情も詳しく書かれ。

 正確な事情を理解すること、が大切であるが、次回にしたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

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