« 杉山かつみ時事放談(2)・日本社会党を返せ | トップページ | 永遠の生命と僕の宝物の絵画 »

2019.04.07

永遠の生命の中の、小説家島田清次郎(1)

 

 

 小説家島田清次郎を、知る人などいない、

 ということもないが。

 明治学院の文学部にいたものが、知らないというのは問題だと思う。

 

 ここのところ、「西村伊作」を勉強していた。

 文化学院が閉鎖され、長い一つの時代に区切りがついたと思っていた矢先。今度は、突然「島田清次郎」、である。か。全く知らなかった人で、なんで繋がったのかも、はっきりしないほど明治学院的である。が、Wikipediaを読んで、ガックリした。明治学院に十年もいた僕が、知らないというのは情けない話なのだ。ジュンク堂では、今でもこの人の小説「地上・・地に潜むもの」を売っている。のに。

 

 それを、青空文庫で読むことすらできる。

 それを、今読んでいるが、読みにくいので、本も買う予定。今、古書店からメールが入り、「天才と狂人の間」(島田清次郎伝)杉本久美著を送ったと、連絡があった。島田が、その小説を書いたのは二十一歳、青空文庫を少し読んだだけで天才と、頷ける。自分も、藤村ばりの私小説を書くつもりで、少し書いた。面白そうに書けるので、いい気になっていたが、これが、バカだったと知った。島田の天才ぶりを示す小説と、比較するのも愚かだが、天と地ほどの差がある。

 

 だが、彼は精神を患っている。

 

 小説でなく、その実人生の生き様の凄まじさ(Wikipedia)に、それが表現されたようだ。だからこそ失われた大正の、あの時間の、昭和に至る虚構の豊穣を余すところなく書いているのではないか。昭和の暴力と狂気に至る時代の不安、が予言されている。芥川が言ったっと記憶する、「漠然とした不安」の明治学院版である。で、百年史(明治学院)で、小説家島田清次郎を書いたのは、僕の師の工藤英一である。その中で、彼は。深いことは書けない、と書く。だが、特に、326ページから数ページを使い。わざわざ「文学者、特に島田清次郎」とタイトルまでつけているから、かなり気にしているに違いない。工藤は、慶應大学の学徒出陣組である。その彼が、僕の家庭教師なのだ。

 が、工藤も書いているが、そこでなかなか工藤の筆が進まない、のは。島田が複雑な人生を送ったからであろう。彼の「地上」には(青空文庫を少し読むと)、キリスト教的熱狂が書かれている、と工藤は書いている。が、その箇所は確かに、高い信仰的熱さに満ちているものの、やや過剰な狂気の感覚があり、それを紹介しかねる工藤の気持ちがよく出ている。

 

 が、私は七十七歳。

 にして島田清次郎を知った。

 

 今後、天国の鍵(永遠の生命)にかこつけて深掘りをするつもりでいる。文化学院終焉とともに「西村伊作」を卒業できるとは、ありがたいと思いつつ。僕は、彼に明治学院への入学を推薦されたのだ。だから僕は、ここで踏ん張って、西村伊作を大逆事件がらみで、一気に書き込みたい、と思って張り切っていたのである。が。

 その明治学院に、島崎藤村をうわまわりかねない小説家が、いる。ような気もして、西村から卒業した、と思うのである。

 

 

 

 

 

 

|

« 杉山かつみ時事放談(2)・日本社会党を返せ | トップページ | 永遠の生命と僕の宝物の絵画 »